血栓溶解療法

病院到着までの移送時間

血栓溶解療法が図らずして不成功となってしまった場合には数時間以内にPTCAを行うことが勧められます。また、血栓溶解療法が成功した後でも体動時に胸痛があれば退院前にPTCAを行います。血栓溶解療法が不成功、不十分または再閉塞するなどしてPTCAが必要となる率は30%弱という報告があります。

なお、血栓溶解療法が奏功し、症状が消失し心電図所見も早期に回復して合併症を伴わない時には、冠動脈造景(カテーテルを用いて、冠動脈に造影剤を流しつつレントゲン撮影する)を施行するのは時に有害といわれています。

血栓塞栓症

病院到着までの移送時間

心筋梗塞により動きが弱くなった心筋の内側には心臓内の血液が固まって付着しやすくなっています。(心内血栓)。この血液の塊が脳をはじめとする全身に流れて血管をつまらせてしまうことを血栓塞栓症といいます。

脳の血管を詰めてしまうと脳梗塞に、腸の血管を詰めると腸管壊死に、下肢の血管を詰まらせると下肢の壊死に至ることがあるため、いずれも緊急処置を要します。得に、左心室前面の大切な部分の心筋梗塞に合併する脳卒中のリスクは4%前後といわれています。

また、心筋梗塞の急性期には長時間ベッド上での安静を余儀なくされますが、この間、下肢の血液循環が悪く、静脈の中では血液がうっ帯し固まりやすくなります。

院内での治療開始までの時間

病院に搬送されてきたとしても、そこからも時間との戦いが始まります。設備病院到着から20分以内に診断をつけて初期治療を開始するのが理想的です。外来に到着してから診察までの時間は、医師以外の職員の教育や病院のシステムによって様々です。

その点、救急車での受診は疾患の重傷度を病院側に知らしめ、待ち時間を短縮させうることにも利点があるので、心筋梗塞と考えるほどの症状ならばためらわずに救急車を要請したほうがよいのです。まともに大学病院の外来を受診して3時間も待っていては大切な時間をロスしてしまいます。

病院到着までの移送時間

病院到着までの移送時間

救急車使用により移動時間を短縮できることは周知のとおりですが、むしろ受け入れ側の問題として、循環器救急疾患の受け入れ体制は理想からは程遠く、得に休日、年末年始や夜間にやむなく遠方まで救急車が走ることは少なくありません。

救急車の搬送要請から専門設備を有する施設に収容するまで平均3時間強を要しているという調査報告がある程です。診察時に心筋梗塞の診断を的確にくだし、すぐに治療を開始するには循環器治療の経験のある医師でなければ難しいことがあるため、専門外の医師や、充分な設備を有さない施設の医師は心筋梗塞に手を出さないことが金科玉条とされてしまっています。

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