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多すぎる保険会社、複雑すぎる保険商品
「医療保険の基本」
医療保険の基本は「入院給付金」と「手術給付金」。意外と単純だ。しかし各社がしのぎを削って商品開発を行った結果、個々の商品を見比べると、保障内容に相当の違いができている。たとえば全ての病気やケガを対象としているものもあれば、がんだけを対象としているがん保険、三大成人病のみを対象としている三大疾病保険、女性特有の病気に対する保障を厚くした女性専用保険、といった違いがある。
「終身保険や定期保険など」
入院日数に関しては、日帰り入院でもOKというものもあれば、最低5日以上の入院でないと給付対象にならないというものがある。また1回の入院につき最長60日まで保障するものもあれば、365日までのものもある。さらに終身保障と定期保障、掛け捨てとそうでないものなど、組み合わせの種類は膨大になる。手術に関しても、その項目には各社で違いがある。
「日本生命保険協会」
内資・外資の生命保険会社で組織されている日本生命保険協会の会員数は、平成18年4月時点で38社。そのうちの20社以上が医療保険を出している。そのなかには日本生命や住友生命といった国内老舗生保もあれば、アメリカンファミリーやアリコジャパンなど外資系企業も含まれている。また損保ジャパンひまわり生命や三井住友海上きらめき生命などという損保系の会社も含まれているし、オリックス生命、ソニー生命など新興企業も名を連ねている。
「工夫や違いの盛り込み」
それに加えてアメリカンホーム保険会社のように日本生命保険協会に属していない会社もある。さらに日本郵政公社まで近く医療保険に参入するという。医療保険を販売している保険会社が何十社あろうとも、各社同じ保障内容であれば比較は簡単だ。ところが各社ともさまざまな工夫や違いを盛り込んでいるため、商品比較は事実上不可能に近い状況になっている。保険のプロやフィナンシャルプランナーでさえ医療保険はよく分からないというほどだ。しかも毎年のように新商品が登場してくる。
「選択の基準」
しかし、せめて選択のための何らかの基準があって然るべきだ。そしてその基準こそが、「医療の確率」なのである。たとえば1入院の保障日数である。以前でも述べたように、62日型と365日型の違いは、カバー率が異なるということにほかならない。そして、全入院のうちの90%が62日以下だから、62日型を選べば全入院の90%をカバーできる。それに対して365日型では全入院の99%がカバーできる。
医療保険の仕組み
「契約者本人の医療費」
また医療保険はあくまでも契約者に対してのみ有効である。商品によっては配偶者ないし家族全員の医療費を補償するものもあるが、適用範囲は最大限そこまでである。たとえばあなたが自転車で転んで大ケガを負い、入院したとする。医療保険はあなたの入院に対して発動されるが、事故の巻き添えで他人がケガをしたとしても、そちらの医療費は補償対象ではない。まして事故による物損の補償など論外である。あくまでも契約者本人の医療費のみを対象とする。
「入院と手術」
実際、医療保険の広告やパンフレットを見ると、「入院」のことしか言っていない。なかには外来の医療費まで面倒を見る保険もあるが、それはつけ足しのようなものだ。もうひとつ、医療保険の対象になるのが「手術」である。現行の医療保険制度では、医療費は出来高制で計算するのが基本だ。個々の医療行為に細かく保険点数、つまり定価が定められている。これに検査代や麻酔代が上乗せされる。また大掛かりな手術では、術後数日間ICU(集中治療室)やハイケアルーム(集中治療室と一般病院の中間的な部屋)に入ることになる。
「健康保険」
その医療費だが、現行の「医療保険」の枠組みでは、3割が患者本人負担、残り7割は健康保険で支払われている。そのため外来診療しか経験のない人は、医療費が高いという実感を持つ機会は少ない。風邪などで医者に行っても、調剤薬局の支払いも含めて、せいぜい、数百円から1000円程度で済んでしまう。高血圧や糖尿病など慢性疾患で通院している人は医療費に関してもう少し敏感になっているが、それでも1回当たりの支払いはせいぜい数千円までである。
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